
こんにちは!雪国訪問看護ステーション管理者のカムです。
今回は、少し昔話をさせてください。 私が前職で経験した「不眠症」という名の絶望。そして、その経験が如何に現在の私を支え、管理職としての今の自分を作ったのかについてお話しします。
訪問看護の現場は、オンコールのプレッシャーやスタッフ管理のストレスが絶えません。睡眠で悩まれている管理者さんやスタッフの方も多いはず。 この記事が、あなたの睡眠の質を改善し、再び「自分の人生」を歩み出すきっかけになれば幸いです。
1. プロローグ:眠れない夜に登ってくる朝日が、唯一の「救い」だった
誰でも人前での発表や大舞台の前夜は緊張しますよね。繊細な方なら、一睡もできなかったという経験があるのではないでしょうか。
私が務めていた前職は、手術室での所謂「OPE看」でした。 大きな手術を翌日に控えると、小心者の私の胸には不安と緊張が溢れ出し、不眠症になるまでさほど時間はかかりませんでした。
当時は仕事のストレスだけでなく、「今夜も眠れないかもしれない」ということ自体が、巨大な不安の種となっていました。 脈拍は常に100前後を刻み、不整脈を自覚し、目の下がピクピクと痙攣する。 布団に入っても心臓の音が耳元で鳴り響き、ただ時間だけが残酷に過ぎていく。
朝方まで眠れないことが当たり前でした。しかし、カーテンの隙間から朝日が差し込んでくると、不思議な感情が湧いてくるのです。
「ああ、今日も眠れなかった。でも、もうすぐ起きる時間だから……もう無理して寝ようとしなくていいんだ」
そう思うと、不思議と心がスッと軽くなりました。 「眠らなければならない」という呪縛から解き放たれる、出勤までの僅かな時間。その僅かな仮眠だけが、当時の私の全てであり、唯一の救いだったのです。
2. 薬を捨て、退路を断った「転職」という決断
睡眠を改善するべく、精神科で薬の処方も受けていました。 しかし、訪問看護の仕事に転職することを決めた際、私はある大きな決断をします。
「薬を、すべてやめる。」
訪問看護は日常的に運転を行う業務です。安全を第一に考える現場において、精神系・睡眠系の薬剤を常用し続けることは、基本的には推奨されません。
⚠️ 読者の皆様へ(重要な注意点) 私の場合は転職という節目で、自身の判断と環境調整のもとに断薬しましたが、現在お薬を服用中の方は決して自己判断で中止しないでください。 減薬や中止は、必ず主治医と相談し、医学的な管理のもとで行うことが鉄則です。
「薬なしで、またあの地獄のような夜が来たらどうしよう」という猛烈な恐怖はありました。 実際、転職直後の新しい環境では、ストレスで眠れない夜も多々ありました。
それでも私が、薬に頼らず管理者として走り続けられるようになった、「心」と「体」の再建術をお伝えします。
3. 【心の再建】仏教と瞑想がくれた「管理者のマインドセット」

「おいおい、いきなり宗教かよ」と思われたかもしれませんね。
ここでお伝えしたいのは、宗教的儀式ではなく、ブッダが残した**「合理的で最強のメンタルコントロール法」**です。
管理者の仕事は、日々トラブルの連続です。私の心を救った3つの教えを紹介します。
① 執着を捨てれば、苦しみは消える
私たち管理者のイライラや不眠の正体は、実は**「完璧主義という執着」**ではないでしょうか。
スタッフのミス、予期せぬ欠勤、自分の思い通りに動かない現場。「こうあるべきだ」という執着(こだわり)が、自分自身の心を削ります。
「物事は常に変化し、自分のコントロール外にある」と一歩引いて眺めることで、執着の炎を鎮めることができます。
② 「他人の過ちを見るな。自分のなすべきことだけを見よ」
「あのスタッフはなぜ動かない?」「あのドクターの対応はひどい」。
他人の言動に心を乱されるのは時間の無駄です。
管理者が「今、自分にできる最善」だけに集中すると、脳のマルチタスクが解消され、驚くほど心が軽くなります。
③ 「毒矢のたとえ」
毒矢に射られた時、「誰が撃った?弓の材質は?」と考えている間に死んでしまいます。まずは矢を抜くことが先決です。
不眠に悩む時、「なぜこうなったのか」という犯人探し(過去への執着)に目を向けがちですが、大切なのは**「今すぐその苦しみを止めるアクション(環境を変える、体を動かす)」**を起こすこと。
この教えが、私が環境を変える挑戦をする大きなきっかけとなりました。
ブッダの言葉に興味がある方は、こちらの書籍が入門編としておすすめです。
4. 【体の再建】朝5時の「朝トレ」が睡眠の質を劇的に変えた

精神を整えたら、次は肉体です。 「健康な精神は健康な肉体に宿る」。 私が辿り着いた答えは、シンプルすぎるほど原点回帰なものでした。
それは、**「早く寝るのを諦め、早く起きること」**です。
睡眠不足の時ほど早く寝ようとしがちですが、寝付けない焦りが増幅するだけ。
まずは強制的に早起きをして、活動量を上げること。それが私が行き着いた
**「朝5時起床の筋力トレーニング」、通称「朝トレ」**です。
まだ日も昇らない時間帯からベッドを這い出し、目覚めのEAAとカフェインを流し込む。 (EAAは必須アミノ酸で、枯渇した体に素早くエネルギーを届けてくれます)

トレーニングは準備運動含め30〜40分。 朝時間はわずかですので、自宅をホームジム化して効率よく行っています。 愛用のBARWINGの可変式ダンベルは、1個で重さを変えられるので、雪国の狭い室内でも場所を取らず、最高の相棒です。
この朝の適度な肉体疲労が、就寝時間には「程よい疲れ」として訪れ、私を深い眠りへと誘ってくれるのです。
5. 心の安定と体力がもたらした、管理者としての「本当の休日」
皆さんは休日をどのように過ごしていますか? 以前の私は、一日中パジャマで過ごし、スマホを眺めては「あぁ、また明日から仕事か」と絶望するだけでした。
でも今は、全力で休日を満喫できています。 今年は富士登山や海外旅行にも挑戦しました。

体力が向上したことで、ただ体を休めるためだけに費やしていた休日は、実は「本当の休み」ではなかったんだと痛感しています。
仕事以外の時間を楽しく、有意義に過ごすために努力すること。 それが、管理者としての器を広げることにも繋がると信じています。
6. 結び:OPE室時代の自分と、今戦っているあなたへ
当時の私は、絶望の淵にいました。自分では気づいていませんでしたが、本当にギリギリでした。
そんな状況から、もがき、自分の意思で環境を変え、習慣を変えて解決できた私だからこそ、今同じように悩むあなたに、心からのエールを送りたい。
眠れない夜が怖くない。朝の静けさが好きになる。
そんな日が、あなたにも必ず訪れます。 暗い部屋で一人、空が白むのを待つ時間はもう終わりです。 一緒に、前を向いて生きていきましょう!!


